奇貨居(お)くべし

『奇貨居(お)くべし』という言葉がある。
「奇貨」とは、めずらしい貨幣のことで、
これをとって置いておけば、値打ちが上がり大変なものとなるという意味 http://www.kidult-audio.com/12ax7.html。

この言葉の文章上での初出は、2千年以上前の『史記』の「呂不韋(ろふい)伝」。
このエピソードを簡単に紹介すると、
秦の始皇帝の父に当たる荘襄(そうじょう)王が、まだ、世継ぎとも決まっていないときに、
商人であった呂不韋が彼と偶然に出あったときに発したのが
『奇貨居くべし』という言葉だったという。
すなわち「この人物を守り、身近にとっていたならば、必ずや利益をもたらすことになる」
という意味で語った言葉。
実際に、荘襄王を応援し、彼が王となり、
そのことで、政商として秦の国で莫大な富を得ることになった。
彼の商売人としての直感が、ふと、言わせた言葉だったというところだろう http://www.kidult-audio.com/vintage.html。


めずらしい硬貨をとっておくと値打ちが上がるということが屢々ある。
その代表的なものと言えば、アメリカの「ダブルイーグル」。
1900年代に、20ドル金貨として世に出たが、
発行枚数が少なく、2002年のオークションでは、
759万ドル(およそ8億円)で落札されたという話がある。
まさに『奇貨居くべし』である。

1964年の東京オリンピックのときに
100円硬貨と1,000円硬貨のコインが発行されたが、
その1,000円硬貨を持っていた。
(当時の1,000円という金額は、今の5,000円から1万円ほどの価値感覚だった)

さて、この硬貨は、50年の時を経て、いかほどになっただろうか?
と、調べてみると、
(よほどの美品でない限り)1,000円!

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